タイとカンボジアの国境にあるロンクルア市場へは、国境の町であるアランヤプラテートから距離にして7キロとわずかです。
今回はアランヤプラテートからロンクルア市場までトゥクトゥクで移動して、掘り出し物を探していくことにします。
アランヤプラテートからロンクルア市場までトゥクトゥクで移動
アランヤプラテートのバスターミナル前には、複数台のトゥクトゥクが待機しており、バンコクなどからバスが到着するたびに客の争奪戦となります。
今回は女性のトゥクトゥクドライバーと交渉して、ロンクルア市場まで120バーツで行ってもらえました。
7キロと距離もそこそこあるので、妥当なラインの料金でしょう。
アランヤプラテートからロンクルア市場までは、タイ~カンボジア~ベトナムと繋がっているアジアハイウェイ1号線を走ります。
幹線道路ということで3車線となっています。
国境に近づくにつれて、カンボジアへ向かう大型トラックで道が混み合うようになります。
トラックの国境超えにどれくらいの時間がかかるかわかりませんが、その列は3キロ以上連なるほどでした。
ちなみに人間がカンボジア国境を超えるのにかかる時間は、カンボジアのビザを事前取得済みであれば最短1時間、国境でビザ取得の場合は最短でも1時間30分程度はかかります。
混み合うトラックの合間をすり抜けるようにトゥクトゥクは進み、15分でロンクルア市場に到着しました。
ロンクルア市場の実情
ロンクルア市場は主に衣類や日用雑貨が並ぶ巨大マーケットで、電化製品や部品のようなハイテクなものは見かけません。
仮に電化製品があったとしても、懐中電灯や置時計のような身近で安価なものばかりです。
もう1つの特徴としては、新品ばかりが店先に並んでいるわけではなく、中古品を扱う店もかなりあります。
例えば、コンバースのオールスターの中古品だけを仕入れ販売している店などもあります。
スニーカーなどは欧米からカンボジアへの援助物資を流出したものだと言われていますが、この中に意外な掘り出し物に出会えることもあります。
ロンクルア市場があるのはタイ側の国境エリアですが、実のところカンボジアから相当の人間が流れ込んできているようです。
そのため、市場内を警察官らしき一団が頻繁に巡回して、不審者を連行している姿を見かけました。
ロンクルア市場はゴルフカートで見て回るべし
前日にロンクルア市場を回ってみて気が付いたことは、『広すぎて歩いて見てまわることはできない』ということです。
訪問した11月下旬はタイでは比較的涼しい時期だったのですが、それでも気温は30℃を超える暑さで、1時間も歩けば見る気も失せるほど疲れてしまいます。
そんなときに見かけたのが、あちこちに止まっていたゴルフカートです。
仕入れに来た人々が、ゴルフカートに荷物を載せて市場内を回っているではありませんか!
「これは借りない手はない!」ということで、市場内を回る前にレンタルできるゴルフカートを探すことにしました。
市場の中央部あたりに、複数台のゴルフカートが止まっている場所があったので、近くのタイ人に聞いてみると、借りることができるとのことです。
レンタル料は1時間200バーツ、2時間で300バーツと長く借りるほどお安くなる価格体系のようです。
この日は午前中に市場見学、昼過ぎにはバンコクに戻るバスに乗る予定だったため、2時間のレンタルとしました。
ゴルフカードは4名乗車が基本の標準的なタイプです。
ただ、市場内は交通ルールが合ってないようなもののせいか、6名、7名とゴルフカートに乗り込んでいる一団もいました。
ちなみにゴルフカートは、日本のゴルフ場での役割を終えた中古車が大半で、注意書きも日本語がそのまま残っています。
操作はアクセル、ブレーキのみと至ってシンプルですが、ブレーキの利きが甘いため、加速し過ぎないようにレンタルする際に注意されました。
一通り操作法を教わり、デポジットとしてパスポートを預ければ利用することができます。
快適にロンクルア市場を見て回る
ロンクルア市場は、どの辺りで何が売られているかという情報は皆無のため、最初は市場全体を把握することが先決です。
まずはゴルフカートに慣れることを兼ねて、市場を1周することにしました。
端から端まで徒歩で30分以上かかるような場所も、ゴルフカートがあれば数分で移動することができるので、借りて正解でした!
そして大まかに市場内の位置関係がわかったところで、お目当ての商品を見て回ることにします。
扱っている店が断トツで多いのが衣類です。
特にデニムを扱っている店が多いような印象です。
1本あたり200~300バーツ程度のものが新品では多いのですが、触ってみるとペラペラのいかにも安物が大半です。
ただ、タイやカンボジアのような年中熱い地域では、生地の厚いものより薄いもののほうが日常での使い勝手は良いです。
価格は若干上がりますが、バンコクのウィークエンドマーケットでも見かけるような、ちょっとおしゃれなものも並んでいます。
価格はバンコクより少し安いくらいで、ロットで買ってくれれば割引は可能ということでした。
衣類は衣類でも、ロンクルア市場はミリタリー系の品揃えが意外に豊富です。
ジャケットはもちろんこと、水筒やナイフ、バッグやハンモックなど、武器以外はすべてロンクルア市場で揃えることができます。
胸には『U.S ARMY』のロゴもバッチリついていますが、各国軍のロゴが別で販売されているため、お気に入りのオリジナルウェア?の制作依頼も可能です。
ちなみに誰が買うのかととスタッフに聞いてみたところ、タイ人が屋外での作業着として買っていくことが多いとのことでした。
衣類の次によく見かけたのがスニーカーを扱う店です。
NIKE、adidas、オニツカタイガーのスニーカーが1足250バーツ、3足で700バーツという信じられないような価格で販売されています。
が!思いっきり偽物ですので、当然購入はNGです。
こちらは1足220バーツ、3足300バーツという、激安に拍車がかかっている店もありました。
ただ、中にはノンブランドのオリジナルスニーカーを販売している店もあるので、一概にロンクルア市場=偽物の巣窟ではありません。
バッグ類も豊富なデザインかつ、価格はお手頃ですが、日本人好みのものは少ないようでした。
変わり種としては、日本のランドセルが販売されている点です。
おそらく援助物資の横流し、、、なのでしょうか、ランドセルを開けると使用していた日本人の子どもの名前が書かれいたり、中には住所に電話番号も書かれているものもありました。
誰が買うのか、、、謎なものも扱っているのがロンクルア市場のおもしろいところです。
日本人受けしそうな商品としては、木工製品、竹細工の商品あたりでしょうか。
凝ったデザインの孫の手やマッサージ機などの品揃えが豊富で、お土産用にいくつか購入しました。
現地の人のニーズを満たすものとしては、漁で使う仕掛けや網なども販売されています。
とにかく生活に必要なものは何でもそろいロンクルア市場です。
ロンクルア市場内での食事事情
大勢の人がやって来るロンクルア市場には、たくさんの食堂があります。
タイ料理、中華料理などが手頃な価格で食べられるうえに、ジュースを飲みながらの休憩なんかにも使うことができます。
さらに市場内のあちこちにセブンイレブンもあるので、水分補給の際に重宝しました。
市場内でありながら銀行が多いのは、ここが国境の町だからかもしれません。
銀行の入口にはたくさんのATMの他に、窓口での両替にも対応しています。
まとめ
ゴルフカートを返却して、バンコク・北バスターミナル行きのバス(ロンクルア市場発バンコク行きのバスの情報はコチラ)に乗り込んだあとは、ほぼバンコクまで寝て過ごしました。
最初は国境にある未開の市場かと構えていましたが、実際に行ってみると見どころも多く、観光地として楽しめる場所だと感じました。
タイの中でも変わった場所に行ってみたいという方、タイ・カンボジアを陸路で移動する方などは、時間を作ってロンクルア市場を訪れてみてはいかがでしょうか!