折り畳み市場として有名なバンコク郊外にあるメークロン市場は、タイ国鉄のメークロン線の終点にあたるメークロン駅周辺にあります。
線路ギリギリ沿って店が出せる理由は、1日当たり4本の列車しか運行されていないからです。
早速メークロン駅から線路沿いの市場を見に行くことにします。
メークロン駅構内から線路沿いの折り畳み市場へ
バンコクの高架鉄道BTSや地下鉄MRTを除けば、タイにおける鉄道はマイナーな交通手段であり、バスが主要な交通手段となっています。
そもそも運行頻度が低いため、線路は普通の小道のような存在になっているため、駅構内の線路上を歩いていても咎められることはありません。
メークロン駅も例外ではなく、地元の人、観光客を問わず、線路上を人が平気で歩いています。
そんな感覚のせいなのか、「線路ギリギリまで店を出しても良いのでは?」と誰が思ったのか不明ですが、1980年代から折り畳み市場が登場したようです。
線路の左右に広がるメークロン市場にある一部の店舗が、線路ギリギリまで店を勝手に拡張したケース
どこからともなく線路沿いにやって来て、勝手に店を開店するケース
この2つが混在しています。
メークロン線を走る列車は1日4往復で計8回線路を走るため、その間を回避できれば店は安泰です。
知恵というか、商魂たくましいというか、列車が通過する場合に備えて、ちゃっかり車輪付きの台の上に商品を並べています。
あとは日よけの傘をさっと仕舞うだけで、列車の回避は終了です。
時間にして10秒もあれば十分に列車対策完了です。
折り畳み市場で販売されているものは、お土産物の類ではなく、ほとんどが生鮮野菜や肉や魚などです。
しかも価格は市場価格ですので、安く新鮮なものが手に入ります。
バンコク市内の市場のような輸入野菜や果物などは並んでおらずあくまでも地元で採れたものだけが並んでいます。
線路沿いなので少々歩きにくいですが、地元の人は慣れた感じで買い物に勤しんでいます。
折り畳み傘で直射日光は避けられるものの、蒸し暑さの回避はできません。
そのためか、あちこちで棒アイス屋台が出ています。
棒アイスのジュースを冷やして固めただけの超お手軽なもので、しかも1本10バーツ手軽に購入できます。
購入したのはコーラ味の棒アイスで、元はペットボトルに入った普通のコカ・コーラなので、味もそのままコカ・コーラです。
折り畳み傘市場の撮影スポットはどこが良いのか?
せっかくメークロンの折り畳み市場に来たからには、列車が来るタイミングでどのように線路沿いの市場を片付けるのかを見たいものですよね。
まず列車がメークロン駅に到着して出発する時間をご紹介します。
このタイミングに併せて撮影に備えるようにしましょう。
そしてご提案したい撮影スポットを2つご紹介します。
折り畳み市場の外れにある食堂
折り畳み市場は、メークロン駅から200~300メートル程度で終わるのですが、
ちょうどのには数店のカフェや食堂があります。
欧米人が好みそうなカフェ、シェイク、アイスクリームなどが並んでいるので、小休憩にピッタリです。
カフェの中には親切なことに、列車が線路を通過する時間が張り出しているので、そのタイミングを見計らって入店するのが良いでしょう。
ビール片手に列車見物も良い選択です!
メークロン駅前の踏切前
折り畳み市場が始まるのメークロン駅前の踏み切り前も、絶好の撮影スポットです。
踏み切り前は、ひっきりなしに車やバイクが行き交う交通の要所になっています。
列車の到着時間が近づくと、駅構内にも人が集まるようになります。
踏み切り前も列車到着3分前になると、ご覧のような人だかりになり、線路を横切る車やバイクの渋滞が始まります。
できるだけ早く線路が見渡せる場所を陣取り、撮影に備えるのが良いでしょう。
メークロン駅前の踏切で列車を撮影してみた
人だかりをかき分けて、なんとかメークロン駅前の踏切前にポジショニングしたのは列車到着の3分前!
残念なことに折り畳み傘は閉じられた後でした!
線路上にはタイ国鉄の職員が旗を振って、列車の到着に備えています。
そして待つこと1分、大きな警告音を鳴らしながら列車がやって来ました。
このタイミングを逃さぬように、皆必至でシャッターを切っています。
列車はかなりゆっくり走って来るので、慌てず撮影するのが良いでしょう。
ここまで列車に近づいて撮影できるなんて、日本では考えられません。
メークロン駅を走っている列車は3等車、つまりタイ人専用であり、本来は外国人観光客が乗るようなものではありません。
ですが、メークロン線はローカル線にも関わらず、観光列車のような位置づけでもあるため、外国人観光客も結構乗っていました。
列車にタッチする大陸系観光客もいますが、日本人はこんなをしないようにしたいものです。
3両編成の最後尾の車両が踏切に差し掛かると、駅構内を方向を撮影していたカメラが、一斉に畳み市場方向に向きを変えます。
お目当ては、閉じていた折り畳み傘が開く瞬間の撮影です。
目にも止まらぬ早業で、あれよあれよと傘が開いていきます。
ボーっとしていると、撮影のタイミングを逃してしまうため、ここは連写で撮影しましょう。
傘を開き終わった市場のおばちゃんが、笑顔で撮影に応じてくれます。
列車通過から15秒ほで折り畳み市場は、元通りの営業を再開しました。
一方踏切は解放されて、人と車とバイクが行き交い始めますが、列車はまだメークロン駅への入線中でした。
列車が完全に停車すると、観光客の撮影タイムがスタートします。
まとめ
メークロンの折り畳み市場は、気の利いたお土産物などはありませんが、完全に観光スポット化しています。
道路を占拠する違法露店を次々撤去する方針のタイ政府も、利用者も少ないローカル線の駅にお金を落としてくれる観光客が来てくれるので、折り畳み市場が撤去されることはなさそうです。