バンコク近郊を走るローカル線のメークロン線のメークロン駅からバーンレーム駅までの全線を乗る旅に出発します。
メークロン駅周辺は折り畳み市場で有名なメークロン市場がある観光スポットになっているため、列車から折り畳み市場がどのように見せるのか、早速列車の旅と共にご紹介します。
定刻通りメークロン駅を列車は出発
1日4往復しか走っていないメークロン線の運行は、タイにしては時間通りで正確です。
乗車した11:30発12:30バーンレーム駅行きの列車も、時間通りに出発しました。
メークロン駅を出てすぐの所にある踏切前では、大勢の観光客がカメラを列車に向けている様子が見えます。
車窓から見えるのは、列車ギリギリのところにある店です。
折り畳み市場の由来になっているテントが列車に触れないように、手で押さえている様子もはっきり車窓から見えます。
店主に混じって、観光客もあちこちからカメラを構えています。
折り畳みのテントは鉄の棒で支えるようになっています。
列車が通過した後に、線路側に鉄の棒を立てるだけで日よけが完成します。
車窓から切り身にした豚肉がはっきり見えるのは、なかなかシュールです。
新鮮な野菜や果物も市場なのでもちろん販売しています。
沿線から手を振るに人に応えつつ、列車はゆっくりゆっくり折り畳み市場を通過します。
500メートルほど走ると大きな踏切に差し掛かります。
このあたりから列車はスピードを上げ始めます。
乗車していた客の大半がなぜか次々下車
メークロン駅からバーンレーム駅までは所要時間は1時間ちょうど、全線単線です。
車で走れば30分程度の距離を1時間かけて走る、かなりゆったりしたスケジュールです。
車内は観光客8割、地元住民2割くらいで、ローカル線にしては乗客も多くなかなか乗車率のようです。
1日4往復しかありませんが、これくらいの乗車率があるため廃止にならないのかもしれません。
メークロン駅を出て7~8分くらいで次の駅に停車しました。
人家もまばらなところにある駅のようです。
そんな何もない駅ににも関わらず、観光客が次々に下車していきます。
何か観光地でもあるのかと窓の外を見てみると、数台のバンが停車しています。
どうやら列車に乗っていた観光客の大半は、1駅だけ乗車体験して、バンで次の目的地に向かうツアー客のようでした。
観光客はいなくなり、わずかな地元住民と観光客だけ残して、列車は発車しました。
メークロン線の乗り心地は極めてスムーズ
メークロン線は2015年に半年ほど全面運休して、線路工事を行いました。
それまでは線路の基盤メンテナンスが行き届いておらず、線路が浮き上がったり曲がったりと速度が出せない状況が続いていたようです。
さらに水害や利用者の低迷に見舞われ、運行本数も削減1日4往復から3往復に削減せざるを得ないなど、踏んだり蹴ったりでしたが、リフレッシュ工事をすることで生まれ変わりました。
そのおかげが、乗っていて不安になるような揺れや振動もありませんでした。
この体験のせいか、チン川を隔ててバンコクに繋がるマハーチャイ線の乗り心地はかなり酷く感じました。
メークロン線には途中に駅はありますが、日本人の思い浮かべるようなローカル線の駅はありません。
人家の軒先に設置されたような駅や、
ヤシの木しかだらけのジャングルの真ん中に未舗装の道があるたけの場所に設置された駅など、日本人の常識では考えられない場所に駅が設置されています。
ただ、乗り降りする乗客が数人はいるので、それなりの公共交通機関として成立していると思われます。
バーンレーム駅に近づくにつれて、ジャングルや野原だけの風景から、街らしい風景に変わるようになります。
大きなお寺や駅前の広場には市場も広がっています。
乗車すること1時間でバーンレーム駅に到着
線路のすぐまで人家が立ち並ぶようになると、いよいよ終点のバーンレーム駅に到着します。
バーンレーム駅の手前は少しカーブしています。
車窓からリフレッシュ工事が施された線路や基盤が見えます。
そうこうしているうちに、列車はバーンレーム駅に到着しました。
車止めを写真に収めてから下車します。
駅舎は屋根があるだけのシンプルな作りになっています。
列車を待つ乗客が数人ベンチに座っています。
有人のチケット売り場もあります。
列車と駅舎が見えるベストポジションに移動すると、メークロン線はなかなか絵になります。
3両編成の列車は先頭に赤く塗られており、
中間車は青で、
最後尾は黄色に塗られています。
バーンレーン駅構内に他の車両は見当たらないことから、この列車が1日4往復を担当しているようです。
偉大なるローカル線である、メークロン線の線路を目に焼き付けて、
チン川の対岸にある、マハーチャイ線のマハーチャイ駅に向かうための渡し船乗り場へ移動します。
まとめ
エアコンなしの3等車での1時間の旅でしたが、窓を開けていれば涼しい風が車内に入って来るので、不快ではありませんでした。
ただ、外は見るに値するような景色も特にないため、暇をつぶすようなものを持ち込んで乗るのが良いでしょう。