イスタンブールはイスラム世界で最大の人口を誇る都市で、その数は1,400万人を超え!まさに東京級の都市だということです。
そんなイスタンブールは、ヨーロッパ側とアジア側にボスポラス海峡で分けられており、両地域はこれまで2本の橋で結ばれていました。
そこに2013年10月に新たに長さは13.6kmの地下トンネルが掘られて、TCDDマルマライ線が完成しました。
これまで両岸の移動にはフェリーや橋を介しても30分かかっていたのが、たったの4分で行き来できるようになったということです。
今回はヨーロッパ側からマルマライとメトロM4線を乗り継いで、カドゥキョイまで移動する方法と、そしてマルマライ開通記念展示の様子をご紹介します。
メトロM2線でイェニカブ駅へ
イスタンブールには6路線のメトロ(地下鉄)があり、アタテュルク国際空港に乗り入れているM1線(正確にはM1A線)はほとんどの観光客が利用する路線です。
今回はイスタンブールのヨーロッパ側のマルマライ起点であり、メトロM1、M2線の乗り継ぎ駅でもあるイェニカブ駅からスタートします。
メトロM2線は、イスタンブールのヨーロッパ側の旧市街と新市街をスピーディー結ぶ重要路線です。
日中は大むね3~5分間隔で運行されています。
各駅案内は、右がM1線で赤で表示(途中で分岐して行き先が分かれるため、M1A、M1B線となっています)、左がM2線で緑で表示となっています。
M2線からマルマライ、M1線(途中で分岐して行き先が分かれるため、M1A、M1B線となっています)の乗り継ぎ案内です。
トルコ語表記でのみ、Ataturk Havalimani(アタテュルク国際空港)の下に小さくAIRPORTとあります。
人の流れに乗り継ぎ通路を進むと、マルマライの改札に到着しました。
マルマライのイェニカブ駅改札内には、大きな柱とドームがあります。
天井から光が差し込むようになっており、照明は最低限あるのみというエコな作りの駅になっています。
マルマライ開通記念展示
マルマライは、ボスポラス海峡横断トンネルの建設の計画、「マルマライ計画」から来ており、なんと構想されたのが150年前のオスマン帝国時代というから、長年の夢の計画が世紀をまたいで現実となりました。
そんなマルマライで最も重要なものが、海底トンネルです。
マルマライの建設には、日本からの資金協力と日本企業が建設に参加する、いわゆる日の丸プロジェクトの元で行われました。
その完成記念とトンネルの詳細がイェニカブ駅の構内に展示されています。
アジアの西と東の端にある両国の友好が強固なことは、帝政ロシアを日本が撃破した話、エルトゥールル号救助の話、イランイラク戦争の開戦前のテヘランからの日本人を救った話など、語りつくせないほどのエピソードがあります。
日本のODAで作られたタイやベトナムの駅や空港には、日の丸が飾られていたりしますが、トルコでも常設の展示ブースを作って、日本とトルコの歴史に残るジョイントプロジェクトが紹介されています。
展示ブースは、駅構内の隅の方にあるのですが、常に誰かしらいる感じで、関心の高さがうかがえます。
マルマライに乗車
展示ブースのある改札階から1つ下のホーム階に降りてきました。
ホームの壁一面には、イェニカブ駅の建設中に発掘された遺跡の一部が壁画として飾られています。
そしてマルマライ建設の詳細が、ホームにも展示されています。
一番深いところで海底60mの場所に、鉄筋コンクリートの函といわれる言わば四角い土管のようなものを設置して前後を繋げていき、最後は地上から掘り進めてきた地下トンネルと鉄筋コンクリートの函を繋げるという、困難な工事を経てマルマライは完成したようです。
てっきり青函トンネルのように海の底を掘ったかと思っていましたが、違いました。
マルマライはヨーロッパ側に3機、アジア側に2駅の計5駅で構成されています。
しばらくすると電車がやってきたので、早速乗車します。
利用者はかなり多く、市民の足として定着しているようです。
イェニカブ駅からアジア側を走るメトロM4線との乗り継ぎ駅、アイルルックチェシメスィ駅に到着しました。
マルマライを走るのは韓国の現代ロテムとトルコの車両メーカーの合弁で作られたもので、車両も含めたオールジャパンのパッケージとはなっていません。
いま走っている車両が古くなったら、ぜひ日本製車両を走らせてほしいです。
アイルルックチェシメスィからメトロM4線に乗り換えて1駅で、今回の目的地であるカドゥキョイ駅に到着しました。
地下鉄を降りて地上に出ると、
カドゥキョイのフェリーターミナルが目の前に現れます。
数分で超えたボスポラス海峡も、フェリーだと乗船してから下船するまで計30分ほどかかります。
イェニカブ駅とカドゥキョイ駅の場所
イェニカブ駅
カドゥキョイ駅
まとめ
安倍首相もマルマライ開通式典に駆け付けたことがニュースになっていたので、ぜひ一度は利用したいと思っていたので、今回念願が叶いました。
マルマライ自身は観光名所ではありませんが、日本とトルコの歴史や友好関係を考えながら利用すると、楽しいものですので、イスタンブールにお越しの際は、ぜひ利用してみてください!