以前であれば、東京駅から最も安く成田空港に行くための交通手段といえば、JR山手線で日暮里まで行き、そこから京成線で成田空港へ向かう電車でした。
その状況に一石を投じたが、価格破壊とばかりに東京駅から成田空港まで事前予約で900円、当日乗車でも1000円という価格で勝負に出た東京シャトル、そして片道1000円のTHE成田アクセスです。
同じ路線で同じ価格設定の東京シャトル、THE成田アクセスに乗車して、サービスの違いや利便性を徹底比較してみました。
東京駅発ながら乗車場所が違う東京シャトルとTHE成田アクセス
同じ東京駅から成田空港までを結ぶ両路線ですが、乗車場所が微妙に異なる点が利便性を左右しています。
東京シャトルの乗車場所は微妙な場所
まず、東京シャトルのバス乗り場は、東京駅から徒歩3分ほど離れた路上にあります。
東京シャトルに乗車した当日はどしゃ降りの雨の日。
屋根もない路上から乗車のため、バスが到着するまで列に並んで待つ他ありません。
バス車内に持ち込めばない荷物の預け入れも、バスが来るまでは雨ざらしで放置となってしまいます。
お土産の入った段ボールを持って乗車待ちをしていた外国人観光客(タイ人)が、何だかかわいそうでした。
THE成田アクセスの乗車場所は東京駅前の一等地
一方、THE成田アクセスの乗車場所は、東京駅前の高速バス乗り場になります。
そもそもTHE成田アクセスは、千葉県が営業エリアであるバス会社の持ち株会社であるビィー・トランセグループが運行していましたが、2014年冬にジェイアールバス関東とタッグを組んだおかげで、東京駅前の一等地へバス乗り場を移設しました。
さらにバス乗り場には屋根が付いているため、濡れることなく乗車できる点が東京シャトルに比べて有利です。
新しいバス乗り場のため、案内も見やすいのも良いですね。
バスダイヤから見るに電車に比べての使い勝手はどうなのか
東京シャトル、THE成田アクセス共に、早朝から夜中まで一部を除き20分間隔で運行しています。
一方電車は早朝から夜まで運行されていますが、深夜運行がない点がデメリットになります。
成田空港の早朝便を利用する場合は、最終のバスで成田空港へ向かい夜を明かすか、終電で東京駅へ到着して深夜バスで成田空港へ向かう2択になります。
成田空港の第3ターミナルは24時間営業ですし、第2ターミナルにも北ウェイティングエリアという夜明かし可能な待合室もあるため、最終バスで成田空港に向かうほうが良い気がします。
東京シャトルとTHE成田アクセスの乗り心地はどうなのか
東京シャトル、THE成田アクセス共に高速道路を走るため、着席制(自由席)になっています。
事前予約しているお客様を優先して車内に乗車させて、残りの席に当日飛び込みで乗車するお客様を乗せていく形を両バスとも取っています。
確実に成田空港まで行きたい場合は事前予約しておいた方が良いでしょう(東京シャトルは事前予約で100円割引の900円で乗車できます)。
東京シャトルのシートと設備
東京シャトルの座席は標準的なもので、足元もそれなりに余裕があります。
うれしいポイントが各シートに充電用のコンセントが設置されている点です。
ただ、東京シャトルに投入されているバスの全てにコンセントが付いているとは限らないため、付いていたらラッキーくらいに考えるほうが良いでしょう。
THE成田アクセスのシートと設備
THE成田アクセスの座席も同じく標準的なものです。
足元も余裕があり、2,3時間程度であれば不満もなく座っていられます。
乗車したのはジェイアールバス関東の車両ですが、こちらにはUSB充電ポートが各席に設置されており、車内で無料Wi-Fiも使えました。
ただ、全ての車両が無料Wi-Fiが使えるとは限りませんので、バスにこのマークが貼られているかの確認を乗車時にしましょう。
東京シャトルとTHE成田アクセスは本当に東京駅から成田空港まで何分で到着できるのか
東京駅から成田空港までの最速の到着は東京シャトルは60分、THE成田アクセスは65分と時刻上では記載されています。
成田空港といっても3つのターミナル、降車する場所は計4か所あるため、実際は以下のようになります。
第2ターミナル(2番乗り場)は主に国際線用、第2ターミナル(17番乗り場)は国際線・国内線用という位置づけになっているようですので、航空会社のカウンターの場所を予め調べておき、どちらで降りるのかを決めておくのが良いでしょう。
平日午前10時発の東京シャトルに乗車して所要時間を検証
あいにくの雨でバスの遅れがないか心配していましたが、バスは予定の時間に乗車場所に到着して、事前予約客⇒当日飛び込み客の順に載せていきます。
バスは満席で成田空港に向けて出発し、成田空港第1ターミナルに到着したのは11時15分、出発から75分で到着することができました。
土曜午前9時30分発のTHE成田アクセスに乗車して所要時間を検証
一方、レジャー客で混み合う土曜日の東京駅前のバス乗り場前には、長蛇の列ができていました。
事前予約客は10人以下、ほとんどが当日飛び込み客のようでした。
8割ほど乗車したところで定刻となり出発、途中首都高の渋滞にハマったものの、成田空港第1ターミナルに到着したのは10時41分、出発から71分で到着することができました。
東京シャトルとTHE成田アクセスの成田空港発の事前予約は必要なし
飛行機の到着時間というものは天候などの諸条件があるため、時刻表通りに到着できるとは限りません。
従って成田空港発の東京シャトルを時間指定で予約するのは、ハイリスクということになります。
そのため当日第1~第3の各ターミナルにあるバス窓口で購入するのが良いでしょう。
ちなみに成田空港発の東京シャトル、THE成田アクセスは、第3ターミナルが始発となるため、余程混んでいない限り到着してすぐのタイミングでバスに乗車できます。
まとめ
東京駅から日暮里乗り換えで京成線経由で成田空港までは1190円で最短70分、京成線+成田スカイアクセス線経由は1400円で最短85分かかります。
日暮里での乗り換えの手間もあるため、重いスーツケースを持っての移動は大変ですし、座れないと空港まで立ちっぱなしということもあり悲惨です。
一方、東京シャトル、THE成田アクセスは座れる上に、時間的にも電車と変わらず、価格は安いと来ているので、選ばない理由は皆無ということになります。
概ね東京駅から成田空港第1ターミナルまでは75分程度という検証結果でしたので、第2ターミナルまでは70分程度、第3ターミナルは80分程度と見ていて問題ありません。
東京駅から成田空港まで向かう際には、ぜひ最安で快適に移動できる東京シャトルを利用されてはいかがでしょうか!